【全11種類】丁銀の鑑定価値は?買取価格&平均相場まとめ《2024最新》
丁銀とは現在日本で用いられている硬貨とは異なり、まなこ型をした変わった硬貨です。主に江戸時代に使われていた硬貨で、支払う金額の分だけを切って使うという特殊な方法で用いられていました。
また切り分けて使うという不便さもあってか、使う額の多い商用目的での使用がメインだったのも特徴です。今回はそんな変わった銀貨である丁銀の種類や、最新版の買取相場に関してご紹介してきます。
【全11種類】丁銀の買取価格・価値・平均相場一覧
主に江戸時代に用いられていた丁銀は11種類ほどありますが、種類によって買取価格はさまざまです。一般的にはそれほど希少性が高くない銀貨である丁銀ですが、ものによってはプレミアが付くケースもあります。
①【慶長丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1601年~1695年 | |
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価値 | A | |
相場 | 30万~50万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「慶長丁銀」 |
慶長丁銀は慶長6年に発行されたものですが、通常の慶長丁銀以外にも種類が存在し、以下があげられます。どの種類の慶長丁銀かによって金額は変わりますが、沢瀉丁銀はこの中でも特に高値が期待できます。
- 通常種前期
- 通常種後期
- 12面丁銀
- 12面大黒丁銀
- 沢瀉丁銀
買取相場としては、比較的安い通常種で10万円から80万円程度での取引となることが多いです。沢瀉丁銀ですと一般的なもので100万円程度、非常に状態が良いものでは1000万円を超えることもある、プレミア銀貨です。
②【宝永二ツ宝丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1706年~1710年 | |
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価値 | A | |
相場 | 50万円前後 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | 貨幣博物館「銀貨の移り変わり」 |
宝永二ツ宝丁銀は宝永3年から宝永7年にかけて用いられていた丁銀で、銀の含有率は50%とそこまで高くありません。常是の極印を用いていないのも宝永二ツ宝丁銀の特徴で、比較的容易に見分けることが可能です。
銀の含有率は50%と高くないのですが、希少価値が高いことから古銭市場における需要は高いです。買取相場としてはおおよそ60万円前後ですが、状態のよいものでは400万円程度の値がつくこともあります。
③【宝永三ツ宝丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1710年 | |
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価値 | A | |
相場 | 200万~500万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | 貨幣博物館「銀貨の移り変わり」 |
宝永三ツ宝丁銀も宝永二ツ宝丁銀と同様に常是の極印は打たれてなく、大黒像や宝の極印が刻まれているものになります。宝永7年以降流通した丁銀ですが、吹替がおこなわれた背景があり現存数は少ないです。
そのため古銭市場では宝永三ツ宝丁銀の価値は非常に高く、通常の状態のものであっても100万円以上は期待できます。状態がよければ400万円から500万円での売却が期待できる、お宝丁銀と言ってよいでしょう。
④【宝永四ツ宝丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1710年~1711年 | |
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価値 | A | |
相場 | 50万~100万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「宝永四ツ宝丁銀」 |
宝永四ツ宝丁銀は発行は正徳元年になりますが、宝永丁銀の性質が色濃く残っていることもあるため、この名で呼ばれています。銀の含有率が20パーセントと、他の丁銀に比べると質が落ちているのが特徴の一つです。
また宝永四ツ宝丁銀は発行された数自体が比較的多いこともあり、宝永三ツ宝丁銀と比べると価格は落ちてしまいます。一般的には状態が良くないもので20万程度、上品であれば150万円前後が相場です。
⑤【宝永永字丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1710年~1711年 | |
---|---|---|
価値 | A | |
相場 | 200万円前後 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | 貨幣博物館「銀貨の移り変わり」 |
宝永7年に鋳造されたのが宝永永字丁銀で、上と下の2か所に宝の極印、中央に永の極印が打たれています。当時は財政難であったことから、銀の含有率が減らされ40%程度にまで落ち込んでいるのも特徴でしょう。
とはいえ宝永永字丁銀は鋳造期間が非常に短く、そのため鋳造量としても少ないことから希少価値が高いです。
普通の状態のものであれば200万円から300万円程度の相場で、上品であれば700万程度まで期待できることもあります。
⑥【享保丁銀(正徳丁銀)】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1714年~1736年 | |
---|---|---|
価値 | A | |
相場 | 3万~10万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「享保丁銀」 |
享保丁銀は正徳4年に鋳造された丁銀ですが、打たれている極印の数によって2種類ほど存在します。諸説あるのですが、極印が8面以上の初期のものは正徳丁銀、極印が7面以下の次期のものは享保丁銀と呼ばれます。
そのため享保丁銀はものによって買取相場が大きく変わり、需要が低いものは数千円程度です。一方で極印の数が多いものや希少価値が高いものは100万円以上での取引となることが多く、きちんと見極めてもらう必要があります。
⑦【文政丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1820年~1837年 | |
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価値 | A | |
相場 | 3万~8万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「文政丁銀」 |
文政丁銀は文政3年から発行された丁銀で、刻まれている極印の種類としては一つ前の元文丁銀と一緒です。しかし文の文字が草書体になっているのと少し太字になっており、そこが元文丁銀と見分ける際の違いになります。
通常品の場合価値はそこまで高くなく、1万円から5万円程度の価格となるのが一般的です。大黒像が12面に打たれているものですと価値は高くなり、数十万円から100万円程度のプレミアが付くことがあります。
⑧【安政丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1859年~1865年 | |
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価値 | A | |
相場 | 1万~3万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「安政丁銀」 |
安政丁銀は江戸幕府が発行した最後の丁銀で、これ以降丁銀は鋳造されていません。安政丁銀の特徴としては上と下に政の字の極印が刻まれている点で、それゆえに政字丁銀と呼ばれることもあります。
買取価値としては通常のものであれば数千円程度とそこまで高くありません。しかしこちらも12面に大黒像が刻まれた12面大黒丁銀に関しては需要が高く、安くても20万円程度高ければ100万円以上が期待できます。
⑨【元文丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1736年~1818年 | |
---|---|---|
価値 | A | |
相場 | 2万~4万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「元文丁銀」 |
元文元年に鋳造されたのが元文丁銀で、文政元年までと比較的長い間鋳造されていました。そのため希少性に関してはあまりない丁銀で、元文丁銀に刻まれている極印の種類としては、主に以下になります。
- 常是
- 大黒像
- 寶
上述のように鋳造年数が長かったため丁銀の価値としてはあまり高くなく、通常品ですと1万円程度での取引になります。
こちらの元文丁銀も12面に大黒像が刻まれた12面大黒丁銀だと数十万円程度と高値が付きやすいです。
⑩【天保丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1837年~1858年 | |
---|---|---|
価値 | B | |
相場 | 1万~3万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「天保丁銀」 |
天保丁銀は天保8年から鋳造された丁銀で銀の含有率が26%とやや低いのは、天保の大飢饉におそわれていたという背景があり、あえて品位を落として作られました。天保丁銀に刻まれている極印としては以下になります。
- 大黒像
- 常是
- 寶
- 保
平均相場として通常のものであれば1~2万円程度、美品であっても4万円程度とそこまでプレミアは尽きません。こちらも12面に大黒像の極印がある12面大黒丁銀ですと希少性が高く、40万円から100万円程度が期待できます。
⑪【元禄丁銀】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1695年~1706年 | |
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価値 | A | |
相場 | 40万~60万円 | |
素材 | 銀、その他 | |
画像出典 | wiki「元禄丁銀」 |
元禄丁銀は元禄8年から鋳造開始されたもので、打たれている極印の種類としては主に以下になります。銀の含有率は64%とまあまあ高く、古銭市場でも人気が高い丁銀のため、買取相場もそれなりに高い古銭です。
- 大黒像
- 常是
- 寶
- 元
通常品ですと安くても30万円以上からの価格が付き、美品であれば120万円程度まで値がつくと予想されます。12面大黒丁銀はさらに価値が高く、安くても100万円以上の買取相場となっているプレミア品です。
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《予備知識》丁銀はどのような特徴があるの?
丁銀は主に江戸時代に用いられていたお金で、秤量貨幣の一種です。秤量貨幣というのは、現代用いられている貨幣や紙幣のように決まった額面がなく、使用する際に必要な分だけ重さを計って切り分けて用います。
切り分けて使うという特徴から、形は切り分けやすいように独特な細長いナマコのような形状になっています。また随所に極印と呼ばれる印が刻まれており、これによりどこから切っても分かりやすいようにされています。
丁銀は銀が含有されているため品位の高い貨幣であり、桁の大きな取引用に用いられていたという背景があります。そのため一般の買い物用というよりは、主に商業用としての利用が主で大阪などでは活発に用いられていました。
まとめ
江戸時代に用いられていた古銭である丁銀は全部で11種類ほどあり、種類によって希少性は全く異なります。
発行数の少ないものや、贈答用として使用されていた大黒像が12面に彫られているものなどは価値が高いです。
相場としては安いものですと数千円な一方で、希少価値が高くプレミアものだと数千万円の金額が付くこともあります。このように丁銀の価値というのは本当にさまざまですから、しっかりと価値を鑑定してもらう必要があります。