【全9種類】軍用手票の買取価値いくら?鑑定価格&売買相場《まとめ》
古銭の中でも1つのジャンルとして確立されているのが軍用手票です。一般的には略称である軍票という言い方の方が馴染んでいるかもしれません。
正確にはお金ではないのですが、古銭のジャンルとして認知されています。軍用手票が国内で発行されたのは明治以降となるため、比較的に新しいものだと言えるでしょう。
ですが中にはそれなりの買取価格になっているものもあるのです。ここでは軍用手票の相場や歴史などについて調べてみました。
【全9種類】軍用手票の買取価格・鑑定価値《平均相場一覧》
では最初に軍用手票の買取価格の相場から見ていきましょう。軍用手票には全部で9つの種類があります。この一つ一つで買取価格の相場も違っているのです。では実際にどの程度になるのかを見ていきましょう。
①【承恵社札】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1877年 | |
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価値 | A | |
相場 | 数万~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | ウルトラバイヤー |
日本で初となる軍用手票が承恵社札になります。1877年に西南戦争の軍資金を出資する時に作られたものです。西郷札とまとめられることもありますが、デザインもまったく違う別物になります。5円、1円、半円の3種類が発行されました。
- 状態の良いものだと4万円~6万円程度
- 通常品質で2万円~4万円程度
- 劣化したもので1万円~2万円程度
ただしこれらの買取価格相場は1円と半円のものです。5円は既に現存していないとも言われていますので、もし見つかったのなら博物館レベルの発見だと言えます。
②【西郷札】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1877年 | |
---|---|---|
価値 | A | |
相場 | 数万円~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | ウルトラバイヤー |
承恵社札の2ヶ月後に発行されたのが西郷札です。資金難の対応策として西郷軍が独断で発行した軍用手票になります。
10銭、20銭、50銭、1円、5円、10円といった6種類の額面が発行されました。後に明治政府が回収したため、希少価値が高くなっています。
- 10円札の未使用品だと6万円~12万円
- 美品で3万円~6万円
- 通常品で1万円~3万円
西郷札の中では10円が最も高く、以上の買取価格相場です。次に5円が高く、20銭、10銭は同程度、1円と50銭が最も低い相場になります。それでも未使用品なら1万5000円位以上、最高で3万円~4万円程度になるでしょう。
③【日清戦争軍票】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1895年 | |
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価値 | S | |
相場 | 数百万円以上 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | なし |
日清戦争軍用手票は1894年に発行されました。日進戦争に備えて発行されたものですが、当初予想されていたよりも早くに戦争が終結したのです。
そのため発行枚数は非常に少なくなっています。額面は2銭5分、5銭、1両、5両、10両といったものが発行されました。
- 買取価格相場は取引事例がないため予測不能
発行枚数が極端に少なかったことから、現存するものがほぼありません。現在までに1両札が数枚発見されたくらいです。そのためもし発見されたのなら、取引額は青天井になるでしょう。
④【日露戦争軍票】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1905年 | |
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価値 | A | |
相場 | 数万円~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本と軍票「軍用切符」 |
1904年に発行された軍用手票が日露戦争軍票です。額面としては、10銭から10円までの6種類が発行されました。
裏面の左右にはハングルで兌換文言が入っているのが特徴だと言えるでしょう。日清戦争のものとは違い、多くの枚数が発行されました。
- 1円~10銭の未使用品で1000円~4万円程度
- 美品だと400円~1万5000円程度
- 通常品で100円~8000円程度
基本的に額面が低いほど希少価値が低く、買取相場が高くありません。ちなみに5円と10円の買取価格は群を抜くほど高くなっています。
- 10円の未使用品で30万円~60万円
- 美品で10万円~30万円
- 通常品だと5万円~10万円
- 5円の未使用品で12万円~35万円
- 美品で6万円~12万円
- 通常品は2万円~6万円
とかなり高額です。
⑤【青島出兵軍票】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1914年 | |
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価値 | A | |
相場 | 数万円~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 日本と軍票「青島出兵軍票」 |
青島出兵軍票は1914年に発行されたものです。これは第一次世界大戦の折に、ドイツの拠点であった青島に出兵する際の軍用資金を補うために発行されたものになります。
ただし2ヶ月という短期間で終わったため非常に希少価値が高いです。
- 10円と5円の軍票は発見されておらず取引事例がない
- 1円だと未使用品で10万円~25万円、美品で5万円~10万円、通常品で2万~4万円程度
- 50銭の未使用品は5万円~10万円、美品は3万円~5万円、通常品は1万円~3万円程度
- 20銭未使用品は4万円~8万円、美品で2万~4万円、通常品で5000円~2万円前後
- 10銭未使用品だと2万5000円~6万円、美品で1万5000円~2万5000円、通常品は6000円~1万5000円
となっています。
⑥【シベリア出兵軍票】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1919年 | |
---|---|---|
価値 | A | |
相場 | 数万円~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | 福島県立博物館「ふくしまの戦争資料―軍票(ぐんぴょう)―」 |
1918年に発行された軍用手票がシベリア出兵軍票になります。ロシアで革命戦争が起こったことで、日本が派遣軍をシベリアに送る際に発行されました。表面にはロシア後で額面が表記されているのが特徴です。
- 10円の未使用品だと40万円~100万円程度
- 美品でも20万円~40万円程度
- 通常品は12万円~20万円
- 5円未使用品は35万円~80万円
- 美品だと12万円~35万円
- 通常品は5万円~12万円
となっています。10銭や20銭だと稀に発見されるので、ここまで高くありません。
- 未使用品で1万円~5万円程度
- 美品で5000円~2万円程度
- 並品は1000円~1万円程度
だと考えてください。
⑦【日華事変軍票】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1938年 | |
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価値 | A | |
相場 | 数万円~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | amazon「日華事変軍票 100円 丙号(異式)」 |
日華事変とは日中戦争のことです。1937年~44年まで発行されていました。発行時期によって甲号、乙号、丙号、丁号、戊号の5種類があります。
発行されたすべての券種は35にもなるので、基本的に専門家に査定を受けましょう。
- 買取価格相場はピンからキリまで
- 高いものだと30万円以上、低いものだと買取額なし
とにかく素人では見分けが難しい軍用手票だと考えてください。
⑧【大東亜戦争軍票】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1942年 | |
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価値 | A | |
相場 | 数万円~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | wiki「大東亜戦争軍票」 |
大東亜戦争とは日本が参戦した第二次大戦のことです。東南アジアからオセアニアにかけて、広く使用する必要があったため現地ごとに様々な軍用手票が発行されました。そのため膨大な種類があります。
- ルピアとグルデンの軍用手票は2000円~3万円程度
- 一般的な大東亜戦争軍票の買取額は低い
ともかく大量の券種があるため、素人では判断できません。そのため専門店による査定を受けた方がいいでしょう。
⑨【在日米軍軍票】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1951年 | |
---|---|---|
価値 | A | |
相場 | 数万円~数十万円 | |
素材 | 紙 | |
画像出典 | amazon「在日米軍軍票 B10銭券 昭和20年」 |
1951年に発行された軍用手票が在日米軍軍票です。GHQによって発行されたもので、日本が占領された時に持ち込まれたものです。
国産の紙幣と大きく異るデザインになっていて、A号券とB号券の2種類があります。額面は1000円~10銭の8種類あります。
- 買取価格相場は各額面でバラバラ
- 原則として額面が高いほど希少価値がある
最も高値がつくB号1000円の買取価格は以下の通りです。
- 未使用品で4万円~7万円程度
- 美品で2万円~4万円程度
- 通常品は1万円~2万円程度
A号1000円もB号には劣りますが、高値をつけています。
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軍用手票とは~製造発行の背景や価値について~
最後に軍用手票とは何かについて見ておきます。軍用手票とは戦争時に占領地や、自軍の勢力下において使用される疑似紙幣のことです。軍隊が現地から物資の調達やその他の支払いをするために使うものだと考えてください。
最終的にはその軍隊が所属する政府によって、債務の支払いを行います。ただし敗戦した場合は支払い能力がないことから、なかったことにされる可能性もあるのです。そのため軍票というのは現地住民にとってはリスクの高いものだと言えるでしょう。
日本国内では西南戦争の折に発行されたのが初めてになります。その後は大きな戦争に参加する度に発行されてきました。
最後に発行されたのが戦後アメリカの占領下におかれた時のものです。この軍票はアメリカ軍によって発行され、主に沖縄や奄美諸島で使用されたB号が有名です。
まとめ
軍用手票の買取価格についてでした。軍用手票は古銭の一ジャンルとして確立しているものです。基本的に戦争が終われば回収されるものだけに、現物として残っているものが多くありません。
そのため全体的に見れば、発行時期の割には高値をつけているのが特徴です。未だに未発見のものなどもあり、もし見つかったのなら新聞に掲載されるレベルだと言っても良いでしょう。