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【全9種類】豆板銀の鑑定価値はいくら?買取価格&平均相場《まとめ》

豆板銀は江戸時代に実際に日本で用いられていた古銭の一つで、秤量貨幣です。この頃用いられていた丁銀は高額であったことから、少額の取引をする際の補助的な役割として流通した古銭になります。

この豆板銀には9種類ほどあり、種類によって鋳造量が違い、それゆえに古銭市場における価値も変わってきます。

今回は豆板銀の鑑定価値はいくらくらいなのか、種類ごとに相場をまとめてみたので参考にしてみましょう。

20241027

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【全9種類】豆板銀の買取価格・価値・平均相場一覧

豆板銀は鋳造量が多かったこともありそれほど価値は高くないのですが、コレクター需要が高いものも存在します。それゆえに豆板銀の価値というのはものによって大きく異なるため、平均相場がどのくらいなのか学びましょう。

【全9種類】豆板銀の買取価格・価値・平均相場一覧

①【慶長豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

慶長豆板銀
As6673, Public domain, via Wikimedia Commons
時代 1620年
価値 B
相場 4万~5万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

慶長豆板銀は元和6年頃に鋳造開始されたのですが、比較的長期間流通が続いていたこともありさほど需要は高くありません。一般的なものですと買取相場は数千円のため古銭市場におけるプレミア性はほぼないです。

しかしながら通常タイプの慶長豆板銀ではなく、片面もしくは両面に大黒が刻印されているものは珍しいデザインのため需要が高まります。状態が良好であれば数十万円から数百万円での取引が期待できるでしょう。

②【元禄豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

元禄豆板銀
As6673, Public domain, via Wikimedia Commons
時代 1695年
価値 B
相場 3,000円~30万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

元禄豆板銀は慶長豆板銀の次に登場した銀貨で、銀の含有率は約64%です。元禄豆板銀は銀以外にも、素材として銅が用いられていたり、中には少量の金が混ざっているものも存在するようで、さまざまなタイプがあります。

古銭市場において元禄豆板銀は比較的珍しいこともあり、通常品の相場は数千円から数万円程度の慶長豆板銀よりやや高めです。刻まれている極印の種類によっても取引価格が変わり、大黒が施されているものは価値が高いです。

③【宝永永字豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

宝永永字豆板銀
As6673, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
時代 1706年
価値 B
相場 20万円前後
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

宝永永字豆板銀は宝永7年に鋳造された古銭で、銀の含有量は約40%になり、他に銅も素材として用いられています。この頃の日本は災害が多く、復興に必要な資金を生み出すために作られたという背景があります。

宝永永字豆板銀の発行量は非常に少ないことから、豆板銀の中では比較的高値で取引される貨幣です。取引価格としては普通のもので数万円ほど、状態がよいものですと20万円程度の買取価格相場です。

④【宝永四ツ宝豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

宝永四ツ宝豆板銀
As6673, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
時代 1711年
価値 B
相場 4万円~6万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

正徳元年から鋳造された宝永四ツ宝豆板銀は銀の含有量は20%と、品位が低いのが特徴です。しかしながら鋳造量が非常に少なかったこともあり、古銭市場では5万円程度と、比較的高値で取引されやすいです。

また宝永四ツ宝豆板銀の中でも下記に該当する豆板銀はさらに高値で取引され、相場としては9万円から12万円程度になります。宝永四ツ宝豆板銀は片面大黒デザインはありますが、両面大黒は見つかっていません。

  • 片面に大黒の極印あり
  • 大型のもの

⑤【享保豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

享保豆板銀
As6673, Public domain, via Wikimedia Commons
時代 1714年
価値 B
相場 4,000円~4万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

享保豆板銀は正徳4年頃から鋳造開始されましたが、この頃になると鋳造技術が発達し質が良くなってきます。享保豆板銀のデザイン自体は慶長豆板銀とほぼ一緒ですが、形はこちらの方が円形に近いのが特徴でしょう。

享保豆板銀は鋳造期間が比較的長かったこともあり、プレミア性はあまりありません。一部下記のような豆板銀ですと1万円から5万円程度の値が付きますが、それ以外の享保豆板銀に関しては良くても数万円が相場です。

  • 片面に大黒の極印
  • 両面に大黒の極印

⑥【元文豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

元文豆板銀
As6673, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
時代 1736年
価値 B
相場 3,000円~10万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

元文豆板銀は元文元年から鋳造開始された銀貨ですが、この頃の日本は財政が圧迫していたこともあり銀の含有量は約20%とかなり低いです。銀の埋蔵量自体が少なくなっていたこともあり、含有量がだいぶ抑えられました。

比較的現代でも手に入りやすい豆板銀のため、価格相場としては数千円から数万円程度です。元文豆板銀の中でも下記に該当するものは比較的高値が付きやすく、9万円から12万円と普通のタイプより金額が高いです。

  • 大字文タイプ
  • 群文タイプ

⑦【文政豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

文政豆板銀
As6673, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
時代 1820年
価値 B
相場 3,000円~20万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

文政豆板銀は文政3年から鋳造開始された豆板銀で、銀の含有量が約35%と元文豆板銀と同様に抑えられています。そのためこちらも価格相場としては低く、数千円程度での取引となることが大半でしょう。

一部下記のような文政豆板銀は希少性が高いことから、20万円前後の高値が付くこともあります。当時の日本は諸外国から開国の圧力を受けていた背景があり、まさに日本の転換期に鋳造された古銭になります。

  • 大字寶
  • 大字文
  • 群文

⑧【天保豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

天保豆板銀
As6673, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
時代 1837年
価値 B
相場 3,000円~20万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

天保豆板銀の鋳造開始は天保8年からで、20年間と比較的長い期間鋳造された銀貨です。そのため希少性は低く、普通のものですと数千円程度の値しかつかないため、プレミア性はほぼありません。

天保豆板銀は銀の含有量も少なく、約20%なのも値がつかない要因の一つでしょう。銀よりも銅の含有量の方が多くおおよそ70%を占めていますが、表は銀で覆われているのも、天保豆板銀の特徴の一つです。

⑨【安政豆板銀】鑑定価値と買取相場価格

安政豆板銀
As6673, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
時代 1859年
価値 B
相場 3,000円~20万円
素材 銀、その他
画像出典 wiki「豆板銀」
(※上記はあくまで実績です。実際の買取金額を保証するものではありません。)

安政豆板銀は日本で最後に造られた秤量貨幣で、安政6年から鋳造開始されたものになります。銀含有量が非常に低いのも特徴の一つで、その量としてはおおよそ26%と、天保豆板銀並に低いです。

銀含有量が低い背景としては、開国により金や銀が海外に流出してしまったからです。相場としては通常品では数千円から1万円程度ですが、政の字が入ったものは数十万円程度で取引される可能性があります。

豆板銀『片面大黒・両面大黒・大黒五ケ打』は買取価格が高い

ポイント

豆板銀は全部で9種類ほどありますが、どの種類であってもデザインが通常のものはそれほど買取値は高くありません。比較的希少性のあるものであっても、価格としては良くて数万円程度と言えるでしょう。

しかしながら豆板銀の中でも片面大黒と両面大黒、大黒五ケ打のものに関しては希少性が高いです。相場は通常デザインのものの10倍程度に上がり、数十万円での取引も期待できるため、特別な豆板銀になります。

片面大黒は、片面に大黒像の極印だけが刻まれたもので、両面大黒は両方の面に極印されているものです。

ポイント
大黒五ケ打は、大黒像の極印が片面に5体刻まれているものになり、これらは豆板銀の中でも非常に珍しいものになります。

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《予備知識》豆板銀はどのような歴史や目的で作られたの?

勉強をしている人

豆板銀は江戸時代に流通していた古銭で、秤量貨幣として用いられていた丁銀の補助貨幣としての役割が強いものでした。丁銀は重く持ち歩くのが大変で金額が比較的大きいため、少額の取引をサポートしていたのが豆板銀です。

特徴として非常に小粒で持ち運びが容易なのと、銀秤で秤量しやすかったこともあり当時の日本ではとても重宝された銀貨になります。また両替屋で必要に応じて錢と交換してもらうという使い方も多かったようです。

豆板銀の中には主に贈答目的で使用されていたものもあり、それが片面もしくは両面に大黒像の極印が刻まれたものになります。このような大黒像があるものは他の豆板銀より存在自体が少なく、価値が高いです。

まとめ

豆板銀は全部で9種類ほどあり、いずれも日本の江戸時代に丁銀と共に用いられていた古銭です。流通が比較的多かったこともあり、古銭市場ではプレミア性はそれほど高くないですが種類によって金額に差があります。

デザインが珍しいものや、大黒像が片面もしくは両面に刻まれているものですと、通常価格よりも10倍程度買取相場が高くなります。

いずれも素人が見分けるのは少々難しいため、知識のある業者に鑑定してもらいましょう。