【全11種類】古銭『穴銭』の価値は?買取価格&平均相場《まとめ》
蔵を片付けていたら、穴の開いたお金が出てきたというケースは少なくありません。かなり古くて何の価値もないだろうと思う人もいるかと思いますが、穴銭によっては希少価値が高いものもあり、中には数百万円もの価値があるものもあるのです。
ここでは、穴銭と呼ばれる古銭について、1400年代から明治時代まで作られていた11種類の穴銭についてまとめています。それぞれ特徴があり鑑定価値も異なるので、自分が持っている穴銭がどれに当たるのかチェックしてみてください。
古銭『穴銭』とは?どんな種類のある貨幣なの?
穴銭とは、現代の貨幣に例えると五円玉や五十円玉のように穴が開いた古銭のことを指します。ただ現代のように丸い穴ではなく四角い穴が開いているのが特徴です。当時は今のように財布を持つという風習がなく、お金に紐を通して持ち歩くのがスタイルでした。
時代劇の銭形平次を思い浮かべればわかるかと思います。また穴銭は、古い時代に鋳造されたものであり、しかも今のように鋳造技術が高かったわけではないので、すべて同じものというわけではありません。
字体やサイズが異なるもの鋳造場所や発行目的が異なるものもありますし、エラーコインもたくさんあります。同じ穴銭でも正確に分類すると数百種類に上るものもありますし、また材質も悪く保存状態によって状態も異なるため、穴銭によって買取額は大きく異なってくるのです。
【全11種類】古銭『穴銭』の買取価格・価値・平均相場一覧
古銭、穴銭と呼ばれる銭貨は、皇朝十二銭や地方銭を除けば全部で11種類あります。それぞれ作られた背景や特徴が異なり、流通枚数も異なります。ここでは11種類の穴銭について特徴と現在の買取相馬価格をまとめているので参考にしてみてください。
①【永楽通宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 室町時代/1411年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 0円~1,000円 | |
素材 | 銅 | |
画像出典 | wiki「永楽通宝」 |
永楽通宝は日明貿易の際に中国から輸入された銭貨で、日本で作られた銅銭も含めるとかなりの枚数が出回っています。そのため、古銭といっても希少価値はそれほど高くはありません。
蔵から出てくることも多い古銭で、それほど価値がありませんが、それでも字体が違うものが多数あります。特に価値が高いといわれるのが樂の文字がカタカナのノとムの字を組み合わせたようになっているノム楽で、数十万円まで価値が跳ね上がることがあります。
②【天正通宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 戦国時代/1587年 | |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 3万円~20万円 | |
素材 | 金、銀 | |
画像出典 | – |
天正通宝は安土桃山時代に豊臣秀吉が発行した銭貨で、庶民に流通させるお金としてではなく、武将への褒美品として贈られたものです。皇朝十二銭以来となる日本で鋳造された貨幣となっています。
天正通宝は流通枚数も少なく、また豊臣家は大坂の陣で滅亡したため流通機関も短くなっています。そのため数万円の価値があり、状態が良ければ30万円以上にもなることがあります。
③【紹聖元宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 江戸時代/1659年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 100円~5,000円 | |
素材 | 銅 | |
画像出典 | – |
紹聖元宝はもともと北宋時代の1094年から鋳造されたもので、それを元にして長崎貿易銭として鋳造されたのが江戸時代に作られた紹聖元宝です。オリジナルの紹聖元宝は行書体と篆書体がありますが、長崎貿易銭は篆書体のみとなります。
歴史的価値はありますが、買取価格はそれほど高くなく数百円から数千円です。ただ、銅銭の他に金銭と銀銭も確認されており、こちらなら数十万円の価値があります。
④【元和通宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 江戸時代/1617年 | |
---|---|---|
価値 | B | |
相場 | 2万円~15万円 | |
素材 | 銀・銅 | |
画像出典 | コインの散歩道 |
元和通宝は江戸幕府によって作られた銭貨で、げんなつうほうと読みます。とはいえ、この元和通宝は正式な鋳造記録がなく、実際に幕府が作ったものなのか民間で作った鐚銭なのかわかりません。
銅銭の他に慶事記念用として作られた銀銭もありますが、現存数も少なく希少価値が高いです。銅銭でも数万円の価値がありますし、状態が良ければ数十万円にもなります。さらに銀銭ならより高い買取額になるでしょう。
⑤【宝永通寶】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 江戸時代/1708年 | |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 500円~5,000円 | |
素材 | 銅 | |
画像出典 | wiki「宝永通宝」 |
宝永通寶は江戸時代に作られた銭貨で、日本史上初の十文銭で、大銭とも呼ばれています。ただ量目が低い銅銭で、不評が続いたため、わずか1年足らずで製造が中止された貨幣です。
寶の字のウ冠の第2画目の長さが短い浅冠と長い深冠があり、浅冠のほうが買取額は高くなっています。一般的には数千円程度の価値ですが、美品であれば数万円で買取されることもあります。
⑥【文久永宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 江戸時代/1863年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 100円~2,000円 | |
素材 | 銅 | |
画像出典 | wiki「文久永宝」 |
文久永宝は幕末に流通した銭貨で、地方銭を除けば日本で最後の銭貨となっています。書体が真文、草文、略宝の3種類あり、それによって鑑定価値が変わってきます。
古銭としてはそれほど価値が高くなく、ほとんどは数百円程度、状態がよくても数千円程度です。書体によって買取相場が異なり、真文だと若干価値が高くなります。
⑦【寛永通宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 江戸時代/1636年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 銅銭10円~5,000円 その他5万円~20万円 |
|
素材 | 銅、鉄、製鉄、真鍮 | |
画像出典 | – |
寛永通宝は主に江戸時代に流通した銭貨であり、実に230年にわたり通用した最もメジャーな穴銭です。大きく分けると1959年までに鋳造された古寛永と1668年以降に発行された新寛永に分けられます。
発行年数も長い上に、字体や鋳造地も異なるため、その種類は実に200以上に上るといわれています。
⑧【天保通宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 江戸時代/1835年 | |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 300円~1万円 | |
素材 | 銅78%、鉛12%、錫10% | |
画像出典 | ウルトラバイヤー「天保通宝」 |
天保通宝は江戸時代末期から明治時代にかけて作られていた銭貨で、楕円形をしている特徴的な古銭です。100文という高額通貨だったものの、質が悪かったため模造品が非常に多かった銭貨でもあります。
天保通宝は古銭としての価値はそれほど高くありませんが、母銭だと5,000円から5万円ほどで買い取られることもあります。地方では密鋳銭も多く、むしろこちらの方が希少価値が高いものもあります。
⑨【永楽銀銭】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1587年 | |
---|---|---|
価値 | C | |
相場 | 1万円~10万円 | |
素材 | 銀 | |
画像出典 | なし |
永楽通宝はほとんどが中国から輸入された銅銭ですが、それ以外にも日本で鋳造されたものもあります。日本で作られた永楽通宝の中には銀製の永楽銀銭も存在します。
原材料も高いですし、銅銭に比べて流通枚数も少ないことから数万円で買取されています。また書体や状態によっては10万円を超える価格で取引されることもあります。
⑩【文禄通宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1587年 | |
---|---|---|
価値 | A | |
相場 | 10万円~60万円 | |
素材 | 銀 | |
画像出典 | なし |
文禄通宝は安土桃山時代に豊臣秀吉もしくは豊臣秀次によって発行されたといわれる銭貨です。天性通宝同様、庶民に流通させるために作られたお金ではなく、武将への褒美品として使われていたようです。ただし詳細が不明な点が多い銭貨でもあります。
文禄通宝は現存枚数も少なく希少価値が高くなっています。原材料が高いということもあり、状態が良ければ100万円以上にもなることがあります。
⑪【慶長通宝】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 江戸時代/1606年 | |
---|---|---|
価値 | D | |
相場 | 2,000円から1万円 | |
素材 | 銅 | |
画像出典 | wiki「慶長通宝」 |
慶長通宝は江戸幕府によって発行された銭貨で、中央政府による鋳造貨幣としては皇朝十二銭以来の発行となっています。大形と小形の2種類あり、大型は文字も丁寧に鋳造されていますが、小形は粗悪で偽物という見方もあります。
希少性の高い大形の慶長通宝や字体によっては10万円以上で買取されることもありますが、一般的にはそれほど価値は高くなく数千円程度です。
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まとめ
このように、穴銭にはたくさんの種類があり、また同じ穴銭でも字体などによって大きく価値が変わってくることもあります。さらに、今のように鋳造技術が高くなかった時代ですから、当時から偽造されたものも多く出回っていたようです。
とはいえ、仮に偽造品だとしても穴銭によってはそちらの方が価値が高いものもあるなど、買取価格はまちまちです。その見極めは素人はもちろん業者によってはわからないものもあるので、しっかりと古銭についての知識と鑑定眼のある業者に鑑定してもらいましょう。