【2024最新】小判の鑑定価値は?買取価格&平均相場《全10種類まとめ》
小判は現代のわたしたちにとっても広く知名度の高い古銭で、誰もが名称をご存知でしょう。とはいえわたしたちは小判を一括りにしてしまいがちですが、実は一言で小判と言ってもいくつか種類が存在します。
また小判は江戸時代に流通したものですが、小判の種類によって鑑定価値は変わってきます。そこで今回は小判には一体どのような種類があるのか、それぞれの小判がどのくらいの価値がつくのかを解説していきます。
【全10種類】古銭『小判』の買取価格・価値・平均相場一覧
大判は贈答用や勲章用など特別な用途がありましたが、小判は一般流通用に鋳造された古金銀です。代表的な小判の種類は10種類ほどですが、それぞれ希少価値が異なるため、鑑定相場としても大きく幅があります。
①【慶長小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1601年 | |
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価値 | S | |
相場 | 1,000,000円~ | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
特殊な小判を除いて、日本で初めて鋳造された小判が慶長小判になります。寛永6年から元禄8年の間鋳造されていましたが、慶長小判は鋳造された場所によって以下のように細分化されているのも特徴です。
- 江戸座
- 京座
- 駿河座
しかしながらこの産地による分類に関しては、まだ解明されていない点も多く、産地の違いによる鑑定価格の差はそれほどありません。慶長小判の買取価格は下品では10万円程度ですが、美品や献上用は100万円以上の値が付きます。
②【安政小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1859年 | |
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価値 | S | |
相場 | 500,000~1,000,000円 | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
安政小判は安政6年に鋳造された小判ですが、鋳造期間が短くわずか3か月ほどでした。また安政小判は後の古金銀通用停止令の影響を受けた小判のため、現存数が非常に少なくプレミア価格がつく小判としても知られています。
安政小判の見た目の特徴としては、正の文字の極印が刻まれていることで、これにより見分けやすい小判です。相場価格は通常品ですと数十万円ですが、献上品の小判の場合には100万円は軽く超える可能性が高いでしょう。
③【元禄小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1695年 | |
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価値 | S | |
相場 | 500,000~999,999円 | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
元禄小判は慶長小判に次いで鋳造された小判で、小判の流通量を増やすことを目的としてつくられました。そのため慶長小判と比較すると金品位はだいぶ落とされており、わずか56.4%ほどにとどまっています。
元禄小判は極印の文字の違いなどにより、以下の3つの種類に分類されます。金品位自体は低いのですが希少価値は高いため相場としては比較的高く、種類にもよりますが50万円から350万円程度で取引されます。
- 長元
- 短元
- 偶然大吉
④【万延小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1860年 | |
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価値 | A | |
相場 | 100,000~500,000円 | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
万延小判は最後に鋳造された小判で、発行期間が短かったこともあり現存数も少ないです。そのため希少性は高いのですが、重量が少なく非常に小さい小判だったこともあり、価値としてはあまり高くありません。
買取相場価格としては通常品ですと1万円から7万円程度と、他の小判と比較してもかなり安いです。とはいえ献上品の万延小判であれば、10万円から60万円程度の買取価格がつくため、きちんと鑑定してもらいましょう。
⑤【宝永小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1710年 | |
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価値 | S | |
相場 | 1,000,000円~ | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
元禄小判に次いで鋳造された3番目の小判が宝永小判で、金品位を落とした元禄小判の評判が悪かったこともあり、金品位を戻しているのが特徴です。しかしながら重量は慶長小判や元禄小判と比較すると、小さく作られています。
宝永小判は重量こそ少ないものの価値は高く、10万円から150万円程度の値が付く小判です。表面に大吉の印が刻まれているものはさらに価値が上がり、40万円から280万円程度が買取相場価格となっています。
⑥【正徳小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1714年 | |
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価値 | S | |
相場 | 1,000,000円~ | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
正徳小判は正徳4年に鋳造されましたが、わずか3か月程度の鋳造期間しかなかったため希少性が高い古銭です。その他の特徴としては慶長小判と見た目が似ていますが、光次の極印が少し異なりそこで見分けることができます。
鋳造期間が短く金品位も良いことから、正徳小判は比較的高値で取引される小判です。下品であっても50万円以上の価値が付き、見た目が美しい上品であれば安くても150万円以上、最高では250万円くらいの価値がつきます。
⑦【享保小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1714年 | |
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価値 | S | |
相場 | 500,000~999,999円 | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
正徳4年から鋳造開始されたのが享保小判で、一つ前の正徳小判と比べると非常に長い期間発行されました。長期間鋳造されたこともあり現存数は多いのですが、金品位がよく重量も大きいためそこそこ相場の高い小判です。
享保小判にも偶然大吉と呼ばれる希少性の高い小判が存在し、買取相場は10万円から80万円です。一般的な享保小判の場合ですと10万円から45万円程度ですので、状態のよい偶然大吉なら2倍近くの価格がつくことになります。
⑧【元文小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1736年 | |
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価値 | A | |
相場 | 100,000~500,000円 | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
元文小判は元文元年から鋳造開始された小判ですが、70年以上という非常に長い期間鋳造された小判です。元文小判以降の小判は、時代背景として小判の流通が安定したということもあり現存数が多いのも特徴です。
そのため元文小判以降のものはあまり値が付かず、通常版のものですと10万円を超えてくることはほぼありません。元文小判には下記のような種類があり、そちらであれば10万円から50万円程度の価値になります。
- 筋当
- 筋神
- 偶然大吉
⑨【文政小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1819年 | |
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価値 | A | |
相場 | 100,000~500,000円 | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
文政小判は元文小判よりも品位を落として鋳造された小判で、文政2年から9年間ほど流通しました。特徴としては草書体で文の字の打印があることから、草文小判あるいは新文字小判と呼ばれることもあります。
金品位こそ低いものの、価値としては一つ前の元文小判とあまり変わりません。文政小判にも献上用のものや偶然大吉が存在しますが、価値としては通常版では10万円程度、最もレアな献上版で15万から90万程度です。
⑩【天保小判】鑑定価値と買取相場価格
時代 | 1837年 | |
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価値 | A | |
相場 | 100,000~500,000円 | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 日本銀行金融研究所「江戸期小判の品位をめぐる問題と非破壊分析結果について」 |
天保小判は天保8年から鋳造開始された小判ですが、一つ前の文政小判から9年間も間が空いているという珍しい歴史を持つ小判です。もう一つ特徴として、天保小判には保の打印があるため保字小判と呼ばれたりもします。
天保小判は金品位も低いことから価値としてはそれほど高くなく、相場としては2万円から10万円程度です。こちらにも偶然大吉と献上判が存在しますがそちらなら価値は高く、予想される相場としては以下のようになります。
- 偶然大吉は7万円から35万円程度
- 献上判は15万円から70万円程度
小判で特に希少価値が高いのは『駿河墨書小判』『武蔵墨書小判』
時代 | 1595年 | |
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価値 | S | |
相場 | 1,000,000円~ | |
素材 | 金 | |
画像出典 | 東京大学「経済学研究科所蔵の古貨幣コレクション」 |
小判は江戸時代に広く流通した古銭ですが、実は江戸時代以前にも小判は存在しました。そのため小判は江戸時代以前のものと以降のものに区分されるのですが、江戸時代以前のものは希少価値が非常に高いです。
江戸時代以前の小判としては2つあり、そのうちの一つが駿河墨書小判と呼ばれるものになります。駿河墨書小判の特徴としては以下で、買取相場としては100万円以上は確実、ものによっては1000万程度の値がつきます。
- 日本で最も古い小判
- 数枚しか現存しない
時代 | 1595年 | |
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価値 | S | |
相場 | 1,000,000円~ | |
素材 | 金 | |
画像出典 | なし |
もう一つ江戸時代以前の小判としてあげられるのが武蔵墨書小判です。この小判の多くは改鋳されたことにより、当時のまま現存しているものは少なく、こちらも100万円以上の価値がつけられるお宝小判です。
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《予備知識》小判にはどのような歴史があるの?
小判は江戸時代に流通した延金貨幣で、同じ頃流通した延金貨幣として大判があげられます。しかし小判は大判とは異なり、恩賞や贈答用としての特別な貨幣ではなく、広く一般流通用として作られたという背景があります。
そのため大判にはある墨書きが小判にはなく、大量に鋳造しやすいように墨書きに代わり打印が刻まれているのが特徴です。また大きさも大判より小さくし、一般に流通しやすいよう量産の工夫が施されています。
大判よりも小さく重量も少ないことと、上述のように一般流通用であることから、価値としては大判よりも低いです。とはいえ古銭市場では小判も十分に価値のある貨幣という位置づけですから、種類によってはプレミアがつきます。
まとめ
有名な古銭の一つである小判は、江戸時代以前のものと以降のもので価値が変わります。現存数が少なく古銭的なレア度が高い江戸時代以前のものは、目にする機会はほぼないもので、もしお持ちであれば100万円以上は固いです。
江戸時代以降のものは種類によって価値が変わってきますが、初期のものや献上用に鋳造されたものであれば十分高値で買取可能です。他にも偶然大吉など珍しいものであれば、数百万円で取引される可能性もあります。